photo: momoko japan

ダンサー・振付家の小㞍健太が主宰するSandD(サンド)による育成/開発プログラム
「SandD LAB.」

昨年度は「ダンサーから表現者へ」をテーマに、ダンサーのスキルから見出す新しい表現について、舞台照明デザインについての講義〜実践を中心に、空間の意識を高めながら、ダンス表現についてさまざまな気づきをもたらす時間となりました。

今年度は「振付と照明、創造の対話」をテーマにより実践的なプログラムを実施します。プログラムを通して、創作における表現を言語化する力や、自分の考えを的確に伝えるコミュニケーション能力を育てます。アーティスト同士はもちろん、照明家などのテクニカルスタッフとも有意義なディスカッションを行うことで、参加者一人ひとりの表現を深め、創造性を高めていきます。


開催概要

Creating Dialogue
振付家と照明家が、ディスカッションを交えながら、共にシーンを創作していきます。メンターには照明家の吉本有輝子氏を迎え、創作の場におけるコミュニケーションを深めていきます。

本プログラムでは、振付家と照明家の協働に重点を置き、あえて振付家のメンターは設けず、参加する振付家同士が協力し合いながらつながりを深め、自身の方向性を見つける場を目指します。 講師への相談機会も設け、自由な意見交換ができる環境づくりにも力を入れています。 最終日には創作のトライアウトや実験を兼ねたショーイングを行い、成果を互いに評価し合いながら意見交換を行います。

日程:2026年3月3日(火)〜8日(日)
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール
メンター:吉本有輝子(照明家)


募集情報

①振付家 4名(公募3名+小㞍健太[受講生として参加] /応募多数の場合は書類選考)

照明家とペアを組み、ダンサーに振付をして15分程度のシーンを創作・実験します。
個別の舞台・スタジオリハーサルに加え、メンター、ゲスト講師による講義(6コマ程度)を実施予定。

参加費:¥30,000

応募要件:
・プログラムの全日程に参加できること ※詳細スケジュールは7/21(月)公開
・過去創作した舞台作品が、【短編作品(20分以内)3作品以上】または、【長編作品(1時間程度) 1作品以上】あること(学生可)
・新たなスタッフやダンサーと協働する意欲があり、チームでの創作活動に積極的に参加できる方
・振付家、スタッフ、ダンサーとの適切なコミュニケーションができること
・振付家同士で積極的にディスカッションを行い、新しい視点やアイデアを共有できること
・劇場舞台での作品構成、空間作り、照明との協働作業に興味があり、過去の経験を活かしてさらに発展させたい意欲がある方
・年齢不問

創作について:
・自作自演不可
・ダンサーの人数は1〜5名程度で、相談の上決定します。
・振付・構成については、即興や過去の振付の引用も可能

応募方法【締切:8/17(日) 23:59】:
下記応募フォームに必要事項を記載の上、ご応募ください。
forms.gle/NEs4ANxvHXU5RGVd7

※応募多数の場合は書類選考。
※選考結果は8/31(日)までにメールにてお知らせいたします。

②照明家 2名(応募多数の場合は書類選考)
振付家とペアを組み、15分程度のシーンを創作します。1名につき2名の振付家を担当します。(組み合わせはメンターと相談の上、決定します)

参加費:¥30,000

応募要件:
・プログラムの全日程に参加できること ※詳細スケジュールは7/21(月)公開
・照明実務経験3年以上(学生可)
・照明デザインの経験があること
・舞台作品におけるダンス作品に興味があること
・積極的なコミュニケーションへの意志があること
・年齢不問

照明機材・スタッフに関して:
・赤レンガ倉庫ホールにある照明機材の使用を想定(特別な機材を使いたい場合は応相談)
・照明卓は2台(ETC Ion Xe20 ・ETC Express250)の用意あり
・プログラマー、オペレーターは事務局より1名サポートあり(受講生自身のオペレートも可)

応募方法【締切:8/17(日) 23:59】:
下記応募フォームに必要事項を記載の上、ご応募ください。
forms.gle/WJXBj61mEcaJSjkg6

※応募多数の場合は書類選考。
※選考結果は8/31(日)までにメールにてお知らせいたします。

③ダンサー 10名程度(募集開始は11月下旬を予定)


メッセージ|メンター 吉本有輝子

振付家のイメージ、作品を理解すること
照明デザインを頭の中で考えること
劇場で実際にそれを具体的にすること
振付家と照明家で作品にとって最も良い照明を生み出すこと

実際に照明+作品が完成するまでは、さまざまな過程があります。

その過程は、照明デザイナーの数だけ方法があり、過程と過程の間には各自の飛躍があるはずです。
照明デザインは、孤独な作業でもあります。それぞれがそれぞれの場所で試行錯誤しています。
今回は、デザインの各過程の解像度をあげることと、過程を照明家どうしでシェアすることによって、それぞれの照明デザインの道筋を確認し、視界を拡げることを目的とします。

 

吉本有輝子(照明家)
学生劇団で舞台照明を始める。 京都にて、アトリエ劇研、Theatre E9 Kyotoの運営に携わりつつ、演劇、ダンス、オペラなどの照明デザインを手がける。 照明だけの舞台作品、『なにもない空間』シリーズも制作中。 2005年 平成17年度 京都市芸術文化特別奨励者。 2006年 9月〜2007年8月 文化庁新進芸術家海外留学制度研修員としてフランス、パリ市立劇場で研修。2017年 維新派『アマハラ』にて第36回日本照明家協会賞舞台部門大賞(文部科学大臣賞)を受賞。最近の参加作品としては、DUMB TYPE『2020』、坂本龍一+高谷史郎『TIME』、Damien Jalet+名和晃平『PLANT』など。規模の大小、ジャンル問わず、シンプルに大胆に、美しさと思考を深めることを志しつつ、日々照明のことを考える。


メッセージ|企画・SandD主宰 小㞍健太

表現を言葉にすることは、一生続く課題だと感じています。感じ方は人それぞれで、時間とともに変わっていくものですが、それを言葉にして伝え合い、共に作品をつくる場こそが、舞台芸術やダンス作品の土台だと僕は確信しています。

このプログラムでは、振付家と照明家が協働し、より深みのある表現を探求します。あえて振付家のメンターは置かず、振付家同士が主体的に対話し、協力し合いながら、自身の表現を掘り下げていくことを大切にしています。

近年、公共劇場主催でのダンス作品の上演は減少し、予算も厳しさを増しています。創作のためのトライアウトの場も少なく、日本のダンス界は非常に厳しい環境にあります。けれども、照明は音楽と並んで、ダンス作品の演出や質を支える欠かせない要素です。限られた予算の中で、最大限の効果とアイディアを引き出す工夫こそが、今の舞台芸術に必要だと感じています。だからこそ、振付家と照明家が対等に意見を交わしながら、今できる一つひとつの実践を丁寧に積み重ねていきたい。そして、振付家同士も対話と協力を通じて、互いの作品をより良いものへと高め合いながら、生身の身体によるダンス表現の力が、舞台作品としての存在価値を改めて見直していく、その一歩となることを願っています。ぜひこの場を共にし、舞台表現の深みを探っていきましょう。皆さまのご参加を心よりお待ちしています。

 

SandD(サンド)
「Surface and Destroy(創り出し、壊し、また新たに生み出す)」という意味を持つダンス・プロジェクトカンパニー。2017年にダンサー・振付家の小㞍健太がプロジェクトとして立ち上げ、表現の可能性を探りながら活動を継続。2024年に法人化し、カンパニーとして新たな一歩を踏み出す。
振付家やダンサーをはじめ、技術者、研究者、能楽師、映像作家、音楽家、建築家、衣装デザイナーなど、多彩なジャンルと世代が集い、即興的な瞬間と構築的な秩序の狭間で、新たな身体表現の視点を見出している。ダンスは生まれ、記憶され、やがて自らを壊しながら、新たな動きへと変化していく。私たちは、その「今、この瞬間に現れる身体と音の響き」を大切にし、創作、育成・発展、公演、国際交流など、舞台芸術を通じて活動を深めている。
SandDウェブサイトはこちら


問い合わせ

SandD
kentakojiri.sandd@gmail.com


スタッフ

メンター:吉本有輝子
制作:遠藤七海
企画:SandD
主催:SandD、横浜赤レンガ倉庫1号館[公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団]