〔2016年7月30日(土)~8月24日(水)横浜赤レンガ倉庫1号館〕
オランダの絵本作家でグラフィックデザイナーのディック・ブルーナさんが描く「ミッフィー」(うさこちゃん)は、2015年に誕生60周年を迎えました。これを記念して、全国で「ミッフィー展」が巡回中です。この夏休みには横浜赤レンガ倉庫1号館でも開催しており、たくさんのお客様で賑わっています。ここでは、展覧会の実際の様子をレポートします。世界中で愛されるミッフィーの魅力を見ていきましょう!
まず入り口からすぐのところには、現在のミッフィーの絵からは想像出来ないような油彩画と水彩画があります。パリの出版社で研修を受けていたブルーナさんはフランスの画家、マティスやレジェらの作品に出合い、衝撃を受け鮮やかな色使いで描いています。
その横には妻・イレーネさんに贈っていたという「朝食メモ」。前の日の出来事やお天気のこと、その日にどんなことが起こるのかを描いたメモです。魚や犬、トランプなど、様々なモチーフが描かれています。
先へ進むと、ミッフィー以前の1953年の初期絵本『りんごぼうや』と『きいろいことり』があります。『りんごぼうや』の目に楽しい鮮やかな色使いや、くっきりとしたシンプルな輪郭が、後のミッフィーを彷彿とさせます。『きいろいことり』は、出版されなかった絵本です。背景は全て緑色で、黄色のことりやお花との色のコントラストが素敵です。擬人化され、泣いているお花が印象的な作品です。
展示会場の半ばにかかったところに、『ちいさなうさこちゃん』という題名の本があらわれます。ちいさなうさぎを意味するnijntje(ナインチェ)という女の子、つまりミッフィーが主人公の絵本です。1955年に出版された第1版のnijntje(ナインチェ)は、耳が丸く顔も横長で、現在の姿よりずんぐりとしていて、素朴な印象を受けます。
1966年に出版された第2版になると、より現在の姿に近い洗練された姿になります。年を追うごとにどんどん丸みを帯びていきます。イラストラインの太さは均一になり、顔は左右対称のバランスの取れた形に。手足なども記号化され、おなじみのとんがり耳のスタイルになりました。
会場には、ブルーナさんが実際にミッフィーを描く過程の映像があり、映像に釘付けになるお客様もいらっしゃいました。
オランダと日本を舞台に、ミッフィーの誕生60周年を祝う国際プロジェクト。高さ180センチの真っ白なミッフィーに、各クリエイターが思い思いのデザインをすることにより、世界でひとつだけのオリジナルミッフィーが生まれました。展示が終わった後はオークションにかけられ、その収益はユニセフの教育的プロジェクトのために活用される予定です。ここ横浜展では、16体のオリジナルのミッフィーが見られます。また、あちこちに隠れているミッフィーを見つけた小さなお子様からは「ママ、これ見て~」と感嘆の声も!お気に入りのミッフィーを見つけられると楽しいですね。
横浜展特別展示として、21組のクリエイターが描いたミッフィーが見られます。白泉社「MOE」ミッフィー60周年特集(2015年5月号)で掲載された、21組のクリエイターたちによる描き下ろしの「おめでとうミッフィー」を特別展示しています!
会場の最後には、2013年に公開されたミッフィーの初めての映画、『劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし』の撮影用に使われたセットが展示されています。絵本を飛び出し、立体になったミッフィーは、お友達のメラニー、グランティ、イヌのスナッフィーと一緒に動物園へ出かけます。
夏休みも後半を迎えようとしています。大人から子どもまで、誰もが楽しめる展覧会となっていますので、家族みんなでミッフィーに会いにお出かけしてみてはいかがでしょうか。
ディック・ブルーナ
1927年、オランダ・ユトレヒト生まれ。絵本作家・グラフィックデザイナーとして世界的に活躍。その暖かみのある手書きの線、鮮やかな色使い、観る者の想像力に訴えるシンプルで大胆な構成の作品で、世界中の子供から大人まで幅広く愛されている。現在までに120タイトルを超える絵本を刊行。全世界で50カ国語以上に翻訳され、8500万部以上のロングセラーとなる。
開催期間:2016年7月30日(土)~8月24日(水)*会期中無休
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館
開場時間:午前10時~午後7時*最終入場は午後6時30分まで
入場料:一般1000円(700円)、高大学生700円(500円)、中学生500円(400円)、小学生300円
*()内は前売及び20名以上の団体料金
*前売り券はuP!!!、ローソンチケット、PassMarketにてお求めいただけます。
*身体障害者・療育手帳・精神障害等保健福祉手帳を持参の方はご本人と付添人1名が無料でご入場いただけます。
主催:ミッフィー展横浜実行委員会(朝日新聞社、フジテレビジョン、松屋)
共催:横浜赤レンガ倉庫1号館[公益財団法人横浜市芸術文化振興財団]
後援:オランダ王国大使館
横浜展後援:神奈川新聞社、tvk
企画協力:ディック・ブルーナ・ジャパン、Mercis bv
協賛:ミサワホーム株式会社
横浜展協賛:uP!!!
協力:福音館書店、講談社、KLMオランダ航空